はじめに
もしもあなたががんに罹患したらあなたは誰にカミングアウトしますか?
また1番最初に誰に話しますか?
きっと恋人であったり夫や妻であったり親友であったり職場の方であったり、そして1番言いにくいであろう両親やお子さんではないのではないでしょうか?
もしかしたら、誰にも言わず1人で抱え込み辛い思いをしている人もいるかもしれません。
今回のブログでは、私ががんに罹患したことをカミングアウトした人たちのことを書いていきたいと思います。
カミングアウトした相手
親友
まず1番最初に連絡したのは、やはり親友です。
県外に住んでいる親友ですが、がんを告知されたすぐ後の病院帰りに電話をしました。
この親友は、私と同じ最重度の知的障害ありの自閉症の子供を育てるママでもあること。そしてやはり1番なんでも話せる友達ということで伝えました。
伝えるというより助けを求めるような感じだったのかもしれません。
ママ友
そしてまた助けを求めるように電話をしたのが、長男次男のママ友でした。
治療法が手術しかない希少がんに罹患して、すぐに頭に浮かんだのは障がいのある長男次男のこと。
これから闘病生活が続く中で、私が入院している時や体調が悪くなる時のことを考えると、長男次男のショートステイ先を見つけておかなければならない。
もしも私に何かあった時のために私が元気な時に施設のことも。
同じ障がいのあるお子さんを育てているママ友から情報を収集したかったこと。
そして何より私に何かあった時長男次男のことを気にかけてあげて欲しいとお願いしました。
本当に図々しいお願いなんだけれど、それでも言わずにはいられなかったんです。
長男次男の担任の先生
長男次男は特別支援学校に通っているので、毎日私が送迎していること。
そして私が入院している間、長男次男には会えないので気持ちが不安定になることが予想できたため伝えなければなりませんでした。
朝、送迎した時に夕方少しお時間をいただけるようにお願いして学校に行きました。
担任の先生に自分の今の状態を伝えている時に、それまでで1番泣いたのを覚えています。
長男次男の相談事業所の先生方
長男次男のショートステイ先を決めなければならないので、相談事業所にも伝えました。
この相談事業所は、長男次男が通っていた療育園でもあるのでとても親身になってくれました。
長男次男の特性を考えて、また現在のルーティンを壊さないように考えて探してくれました。
ショートステイ先にも付き添いで言ってくれて、私が言いにくいことも言ってくれ本当にお世話になりました。
私の難しい要望も受け入れてくれたのは、相談事業所の先生方のおかげだと今でも感謝しています。
放課後等デイサービスの先生方
毎日長男次男がお世話になっている放課後等デイサービスの先生方にも伝えました。
学校の先生方と同じで、私が入院中に子供たちの気持ちが不安定になることが考えられたからです。
子供たちの気持ちに寄り添っていただきたい!そうお願いしました。
長男次男の主治医
今まで私と離れて過ごしたことのない長男次男が、ショートステイ先で安定して安心して過ごせるように主治医に相談させていただきました。
主治医もすごく親身になってくれて、長男次男そして何より私が安心して預けれる施設はないかとすぐに探してくれました。
伯母と従姉妹
胸にしこりを見つけてから相談していたのが従姉妹でした。
というのも従姉妹も子宮体癌の闘病中だったからです。
そしてがんだと分かったその日には叔母にも伝えました。
従姉妹の母親でもある伯母も乳がんの闘病中だったからです。
伝えた途端、2人とも号泣でした。
『なんで、あんたまで!!』とずっと電話の向こうで泣いていました。
この時は本当に辛かったです。
闘病中である伯母と従姉妹を泣かせてしまって又心配をかけていることに本当に申し訳なくて。
この時を思い出すと今でも胸が痛みます。
両親
私が最後までなかなか言い出せなかったのが両親です。
年老いた両親に、田舎で2人暮らしをしている両親に、なかなかがんに罹患したなんて言えませんでした。
しかもよりによって100万人に2人の治療法も手術しかないがんに罹患しただなんて。
言わないことも考えたけれど、私には障がいのある子供たちがいるので言わずにはいれませんでした。
私に何かあったら、両親が元気なうちは気にかけてあげて欲しい。
そう震える声で伝えると、電話の向こうで母も黙っていました。
『聞いてる?』という私にやっと小さな声で『お母さんがっくりきたで!』と倒れそうになってるのが分かりました。
カミングアウトしたメリット
長男次男の沢山の関係先にカミングアウトしたことで連携をとってくれたことが本当に良かったです。
例えば、ショートステイ先に見学に行く時は、相談支援事業所の先生と放課後等デイサービスの先生が付き添ってくれました。
付き添ってくれたことで、放課後等デイサービスでの普段の様子とか、特性とかを話してくれ、保護者以外の方からの意見も聞けて施設側も良かったみたいです。
又保護者である私たちも、沢山の方が付き添ってくれたおかげでゆっくり施設を見学させていただくことができました。
ショートステイをする前には学校側と施設が連携を取ってくれるなどもしました。
皆さんが連携して普段の生活のルーテインを壊さないようにと接してくれたおかげで、長男も次男も安定して過ごすことができました。
カミングアウトしたデメリット
長男次男の関係先にカミングアウトした唯一のデメリットは私のメンタルが不安定になったことです。
本来なら身内や親友にしか話したくない病気のことを、自らの口で何回も説明しなければならない。
これは正直本当に苦痛でした。
今は病気を治すことしか考えたくないのに、生きることしか考えたくないのにもしものことを考えて動かなければならない。
長男次男を預ける施設を探しながら、どんどん私のメンタルはやられていきました。
がんを告知されたら、受け入れるまでに多くの方が時間がかかると思います。
だけど私には受け入れる時間さえもなく、告知されたその瞬間から長男次男の預け先探しに動かなければならなかったことも原因としてあるのかもしれません。
最後に
私は、本来ならがんに罹患したことを身内や親友以外には話したくありませんでした。
だけど私には最重度の知的障害ありの自閉症の息子がいます。
息子たちが安心してこれからも暮らせるためには、どうしても周りにカミングアウトする事は必要不可欠の事でした。
がんに罹患したことをカミングアウトしたことで、がんを受容できている!と思われやすいですが、そんな事はありません。
正直、私は今でも自分ががんに罹患したことを受容できていません。
『まさか私が?』『何で私が?』と今でも思います。
でも、子供たちのために、私にもしも何かあったら子供たちの事が心配で心配で死んでも死にきれないからこうして発信しています。
病気のことでなくてもカミングアウトするということは、とても勇気のいる事です。
もしも、あなたの大切な誰かがカミングアウトしてきた時は、その方の気持ちに寄り添ってあげてください。
とても勇気を出してカミングアウトしているということを分かってあげて欲しいのです。
そして、これからがんに罹患したことを伝えようとしている方々へ。
きっと、がんに罹患したと伝える時は、とてつもない勇気がいると思います。
きっと、泣きたい気持ちを抑えて周りに心配をかけないように明るくカミングアウトすると思います。
もしかしたら心許せる方の前で嗚咽をもらすかもしれません。
もしかしたら色々な方の反応を見てショックを受けることもあるかもしれません。
きっと!もしかしたら?今はそんな思いで不安でいっぱいだと思います。
だけど、辛い悲しい出来事を経験した私達は、どんな小さな事でも幸せに思える気持ちを得たんだよね!!
だから、これからの人生を共に楽しもうよ。
大丈夫!!あなたは1人じゃないよ。
これから共に頑張ろうよ!いや!違うな!頑張るんじゃない!
人生を楽しもうよ!