
こんにちは!みのりです
ある日突然『悪性でした!それも100万人に2人程の希少がんです』と言われてから、あともう少しで2年になります。
風邪と診断を受けている時と同じように、あっさりと告げられた告知。
震える声で『私、治るんでしょうか?』と聞くと、主治医は少し黙り『分かりません。でも治るように治療しましょう』と言いました。
その瞬間から、目の前が真っ暗になりました。自分の身に何が起きているのか全く理解できませんでした。
というより理解したくなかったのかもしれません。
そしてすぐに頭に浮かんだのは、愛する子供達のこと。
私が死んだら子供達はどうなるのか?長女はもう自分のことは自分でできる年齢だけど、障がいのある長男次男を残しては死んでも死にきれない!
『何としてでも治さなきゃ!』そう強く思いました。
しかし、私はそれから病気だけではなく孤独感とも闘うことになるのです。
今回は、私がその孤独感から抜け出すために実践した対策法をご紹介したいと思います。
病気になり1番辛かった孤独感
私ががんに罹患し感じたことは、がんは病気との闘いだけではないということです。
周りからのデリカシーのない言葉や、人間関係など。
正直身体より心が痛かったです。
病気になり、私が1番辛かった孤独感。どんな時にどんな孤独感を感じたかご紹介していきたいと思います。
周囲に理解してもらえない孤独感
『今は、2人に1人はがんになる時代!だから大丈夫よ!』そう周りは励ましてくれます。
だけどその言葉は、がんに罹患している私からするととても辛い言葉なのです。
がんは同じがんであっても一人一人症状が違うし、治療法も違います。
また、私みたいに治療法が手術しかないタイプのがんもあります。
これからどうなるか分からない不安と恐怖でいっぱいで、自分自身は全然大丈夫ではないのに周りにあっさりと『大丈夫よ』と言われてしまうと、作り笑いをして『うん!そうだね』と言って自分の気持ちを隠してしまわなければならない。
そして、がんの治療が一段落したらがんが治った!もう大丈夫!そう周りに思われるけど、治療が終わっても闘病中は闘病中に変わりありません。
毎日を普通に過ごせていても、頭の中には常に再発や転移という言葉があるのです。
少しでも体調不良になると不安で押しつぶされそうな気持ちになるのです。
だけどその気持ちは家族である夫でさえ、考えすぎ!と言って私の気持ちを理解しようとしてくれませんでした。
そんなことが続くと、『どうせ話しても理解してもらえない!』『言ったことでまた何か言われて傷ついても嫌!』そう思うようになり誰にも自分の本音を言わなくなりました。
自分の気持ちと周りの気持ちの温度差を常に感じてしまい、すぐ側に家族や友人がいてもその存在が、遥か遠くにあるように感じてしまうようになりました。
社会からの孤独感
短期間で再発や転移の多い希少がんになったことから、私自身色々考えてお仕事を辞めることにしました。
今は、まずは身体を治すことが大事!そう頭の中で理解はしていても周りからお仕事の話を聞くたびに自分だけ社会から取り残されているような気持ちになりました。
周りの人がキラキラしているように見えて、自分に劣等感を抱くようになりました。
更に、入院から手術、自宅安静をする生活の中で1日に話すのは家族だけということも珍しくありませんでした。
かつては、当たり前であった日常がある日突然失われ、社会とのつながりがなくなったようで疎外感を感じるようになり、どんどん落ち込んでいったのです。
希少がんという孤独感
私の悪性葉状腫瘍という病気は100万人に2人ほどと言われる希少がんです。
主治医から初めて病気の説明を受けた時に、大きく分けたら乳がんではあるけど乳がんではないという説明をされました。
胸にできているしこりだけど、乳がんではない!がんでありながらも普通のがんとは違うから、抗がん剤や化学療法も効果がない。治療法は手術のみ。
希少がんだから、前例が少なく分かっていないことも多くあるということ。
少しでも情報を探そうとブログに登録してみても、乳がんとは違いブログ数が少ないこと。
ステージを知りたくてもステージもつかない病気。
そしてこの病気を知っている方が周りに全くいなかったこと。
未知の病気に、一人で闘っていかなければならない。
孤独な闘病生活が更に私を追い詰めていきました。
孤独から抜け出すために
私の闘病生活の始まりは、激しい孤独感から始まりました。
病気への不安感、子供達への思い、これからの治療費の事など心から話せる人が私にはいませんでした。
また私自身の中にも、これ以上心配をかけたくないという気持ちもありそれも関係をしていたかもしれません。
2人に1人はがんになる時代でも、『なぜ私がならなければいけなかったのか?』『なぜ私が100万人に2人の希少がんに選ばなければならなかったのか?』
毎日毎日そんなふうに思い詰めては悩み、不安や恐怖で頭痛や、吐き気、不眠などという体調不良も出てきました。
この頃の私は、本当に落ちるところまで落ちていたんだと思います。
そんなある日、『このままでは病気がまた新たな病気を呼んでしまう!』
子供達のためには、いつまでもこうしていられない!
病気になんて絶対に負けていられない!と思うようになるのです。
ここからは、私が負のスパイラルから抜け出すために実践したことを紹介していきたいと思います。
同じ境遇の人と話す
がんに罹患して、すぐにブログを立ち上げたものの当初はほぼ書けずにいました。
今思うと、やはりその頃が1番がんを受け入れられず辛かったのだと思います。
しかし昨年に入り、ほぼ毎日ブログを更新するようになり、同じがん患者さんとブログを通じて交流するようになりました。
驚くことに、顔も知らないお会いもしたことのないお相手なのに、同じ辛い経験をした同士だからか、何でも本音で言えることができました。
同じ経験をした人に話を聞いてもらえると、それだけで心が癒やされたり、孤独感から抜け出すことができました。
また逆に私のブログを読んで『自分だけではなかったんだ!』というコメントをいただくこともありました。
このコメントをいただいた時は、本当に嬉しかたです。
私の書いてるブログが誰かの力になっている!そう思うと、今こうして誰もいない部屋でブログを書いていても、
誰かと繋がっている!自分一人ではなく、皆が支え合って生きているんだなと心から思うことができたのです。
最後に
まず最初に謝らせてください!ごめんなさい!
偉そうに、がんになった時の孤独感の対策法をご紹介するといいましたが、1つしかありませんでした。
本当にごめんなさい。でもこれが私の孤独感から抜け出した唯一の対策法なんです。
でも、これは、これから先も多分変わらないと思います。
がんの孤独感から抜け出すために、外出してヨガにいったり映画にいったり、お友達とご飯に行ったりすることも良いことだと思います。
私も、もちろん大好きなお友達とご飯に行ったりするとすごく楽しいですし、素敵な時間を過ごせたなーと思います。
ただ、がんに対する不安や恐怖。闘病中の辛さは、やはり経験した方ではないと分からないんですよね。
もうがんの手術を終えて2年経つと、多くの方がこう聞いてくるんです。
『いつから仕事するの?もういけるだろ?それに今はがんの人でも働ける時代よ!』
こんなふうに聞かれると、やはりがんの人の気持ちはがんの人にしか分かってもらえないな!と思うんです。
がんの治療が終わったからといって、がんが治ったわけではない!
これをわかっていただけるのは、同じ同士であるがん患者仲間さんだけだと思います。
私は、がんを告知された時絶望し、闘病中にとてつもない孤独感に苛まれ、そして同じがんと闘う方々に孤独から救い出していただき、今こうして前をむいて歩いていけてます。
同じ境遇の第三者に話すことで、本音で話すことができることは新たな次のステップに繋がることだとも思います。
ただ中には、ブログは誰にみられているか分からないし嫌だな!と思う人もいると思います。
その際は、お住まいの地域にがんサロンや、病院などで行われているがん患者会などが無いかを探してみることをお勧めします。
今回の私の経験が、今がんで孤独感に悩まされている方のお役に少しでも立てれば幸いです。
みのり